忙しい毎日を送っている施主が、素人なのに業者の良し悪しを本当に評価できるのでしょうか。
様々な塗装業者のホームページにて「他社ともよく比較しましょう」とか「内容にも注意しましょう」と啓蒙されてはいますが、正直なところ、それができないから素人なわけです。
それでも実際に多くの施主が自宅の塗装で満足しているのも事実です。もちろん、中には悪徳業者の手に落ちてしまったというレアケースもありますが……。
では多くの施主が「この塗装屋さんにしよう!」と決めるのは、どのタイミングだと思いますか?
後悔の唯一のポイントは、手を抜く業者かどうか
言ってもプロフェッショナルであり、塗装の手順に大きな差異がないわけですから、どの業者を選んでもそれなりにしっかりと施工がなされます。
お金をかけて高品質・高性能な塗料を選ぶかどうか、あるいはその企業が営業経費にどれだけコストを掛けているかどうか。実質的に価格差はこうしたところに現れるわけです。
つまり、「この業者にして後悔した!」となるポイントは、手抜きするかどうか。ここだけと言っても言い過ぎではありません。
それ以外は、どこにコストを掛けることに価値を見出したか、施主の価値観によりますから、「後悔」という結果にはならないわけです。
汚れるより楽しさを選ぶ
そうすると、その塗装業者が手を抜く人たちかどうか、どうやって見破れば良いのでしょうか。
実際に現場を見ていてもプロの作業を見て「手を抜いているかどうか」は素人目にはわからないですよね?
ここでヒントになるのが、「雰囲気」だと思います。職人たちは、綺麗に塗ること、良い仕事をすることを、本当に楽しんでいるでしょうか。
「めんどくさいな」とか「早く終えちゃって一杯飲みたいな」とか、ノルマを果たすかのようにしてなされる仕事は、残念ながら良い結果を生まないでしょう。
真面目な職人にとって、どんな塗装も「単なる作業」ではなく、いわば「作品」であり、その建物を「美しくしたい」という気持ちが仕事ぶりから感じられないといけないのです。
お客様の信頼が築かれる瞬間
例えば営業マンが事細かにいろいろな説明をし、数値データや過去の事例をもってどれだけ説得力があっても、意外とそれで「信頼」が築かれるわけではないんです。
出会った業者を施主が信頼するのは、いつ、どのタイミングなのでしょうか。
結論的に言えば、実際に施工している現場の様子や作業が完了した住宅についての職人の説明を見て「この業者が良さそうだな」と思った瞬間です。
ポイントは、その瞬間が、必ずしも仕事の技術力を見極めたわけでもなければ、手を抜いていないという確証を得たわけでもない、ということ。
でも経験的には、職人が楽しんで「作品づくり」をしている雰囲気が伝わった時に築かれる「信頼」が、外れることはあまりないようです。
また、そのような現場ではアフターケアや施工後のフォローもしっかりしています。
もちろん、塗料を選ぶためにはデータが必要ですし、技術力を見るために過去の事例は参考になります。
しかし、施主がその業者を「信頼」する瞬間は、現場で職人の様子を見る時である、ということです。
シンプルなんですが、でもこれが一番難しいことでもあるんです。